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がん関連ニュース、セミナー情報などを発信して行く予定です。
また、がん患者さんとご家族の質問、
がんサバイバー、ドクターからの助言など
積極的な情報交換に、ご利用ください。
承認、未承認関わらず、根拠のある治療法は、
ご紹介いただいてOKですが、
目に余る違法なプロモーションや営業行為は、
ダメ出しをしますので、ご了承ください。
がんをやっつける「第4の治療」 3千万円の新薬の課題(2020/02/26 朝日)
3千万円を超す、高額の薬価が話題になった、がん治療薬・CAR(カー)―T細胞療法の製剤「キムリア」。昨年、公的医療保険が適用された。従来の治療がきかなくなった患者への新たな治療法として期待されるが、どのような効果や副作用があるのか。受けられる患者数が限られるといった課題もみえてきた。(大岩ゆり)
長崎県の男性会社員(60)は、公的医療保険が適用される前の2018年2月、ノバルティス社が治療効果を確認するためにしていた臨床試験(治験)の一環として、九州大学病院でキムリアの治療を受けた。
地元の病院で、16年11月に悪性リンパ腫の一種と診断され抗がん剤治療を半年続けた。通常の6倍量の抗がん剤も使った後に、自分の血液から採取した血液の元になる細胞を体内に戻す「造血幹細胞移植」も受けた。放射線治療は25回。それでも、がん細胞は消えなかった。キムリアの治験を知り17年10月、九州大病院を受診。加藤光次・診療准教授(血液内科)から「承認前で効果は不明。効いても、重い副作用が出る可能性もあります」と言われたが迷わず参加を希望した。
日本が「がん大国」になった本当の理由(2020/02/25 読売)
現在、日本人男性の3人に2人、女性でも2人に1人が、生涯でなんらかのがんに 罹かか っています。日本は有数のがん大国となりましたが、その理由を考えてみたいと思います。
遺伝子はただ生きているだけで傷ついていきます。ものは必ず経年劣化を起こしますから、当然です。とくに、特定の遺伝子に傷(突然変異)ができると、細胞は止めどもなく分裂を繰り返すことになります。こうした遺伝子には、細胞の分裂を止める働きをする「がん抑制遺伝子」や、細胞の分裂を進める「がん遺伝子」があります。
突然変異によって、がん抑制遺伝子が働かなくなったり、がん遺伝子が異常に働き続けたりすると、細胞は死ぬことができなくなり、異常な増殖が続くことになります。
そして残念ながら、年齢とともに、がん抑制遺伝子やがん遺伝子に突然変異が積み重なっていき、がん細胞が発生しやすくなります。一言で言えば、がんは「遺伝子の老化」と言ってよい病気です。
同時転移腎細胞がん患者に対する樹状細胞ワクチンIlixadencel+スーテント併用療法、客観的奏効率42.2%を示す(2020/02/25 オンコロ)
2020年2月6日~8日に米国・フロリダ州オーランドで開催された臨床免疫腫瘍学シンポジウム(ASCO-SITC Clinical Immuno-Oncology Symposium)にて、新規に同時転移腎細胞がんとして診断された患者に対する樹状細胞ワクチンであるIlixadencel+スニチニブ(商品名スーテント;以下スーテント)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のMERECA試験(NCT02432846)の結果がUppsala UniversityのMagnus Lindskog氏らにより公表された。
MERECA試験とは、腎摘出術前の同時転移腎細胞がん患者(N=88人)に対して腎摘出術前にIlixadencelを投与し、腎摘出術後にスーテントを投与する群(N=58人)、または腎摘出術後にスーテントを投与する群(N=30人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)などを比較検証した第2相試験である。
本試験の2014年1月~2017年1月時点の結果は下記の通りである。主要評価項目である全生存期間(OS)の結果は両群で未到達、データ解析時点では未成熟な結果であった。副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はIlixadencel群42.2%(N=19/45)に対してスーテント単剤群24.0%(N=6/25)を示した。完全奏効率(CR)はIlixadencel群11%に対してスーテント単剤群4.0%、奏効持続期間(DOR)中央値はIlixadencel群7.1ヶ月に対してスーテント単剤群2.9ヶ月を示した。
自由診療で「やりたい放題」民間がん免疫療法の真相(2020/02/07 東洋経済)
日本の医療には、治外法権というべき闇がある。それは自由診療による「がん免疫療法」だ。EBM(根拠に基づく医療)が現代の常識だが、全国300以上の民間クリニックなどで実施されている「免疫療法」に、臨床試験で有効性が証明されたものはない。それなのに多額の費用を請求する。
自由診療の「免疫療法」にはさまざまな種類があるが、大半が患者の血液からリンパ球を分離、培養した免疫細胞を再び患者に戻して治療する。
一方、ノーベル賞を受けた本庶佑氏(京大特別教授)による、免疫チェックポイント阻害剤・オプジーボは作用機序(メカニズム)がまったく異なる。がん細胞は免疫細胞の働きを制限する作用で自らを守っている。オプジーボはその制限を解除して、がんを治療する。
都内のあるクリニックで行われている免疫療法は、1クール(治療期間の単位)の治療に約450万円。これに、がんのステージを掛けると医師は説明する。ステージ4の患者なら1800万円になる計算だ。ただし計算式に明確な根拠はないし、効く保証もない。
がん専門病院・米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの上野直人教授は、こう指摘する。
「有効性が明確ではない治療は、臨床試験として、患者の費用負担なし(注:費用負担がないのは臨床試験で行う治療の範囲のみ)で行うのが世界の常識。米国でエビデンス(科学的根拠)のない自由診療の免疫療法と同じようなことをしたら、すぐに訴えられてしまうだろう」
ではなぜ日本ではEBMに程遠い免疫療法が横行しているのか?
アスピリン、認知症を予防か 熊本大などが糖尿病女性で検証(2020/02/07 熊本日日新聞)
国立循環器病研究センター(大阪府)理事長の小川久雄・熊本大名誉教授、熊本大保健センターの副島弘文准教授(循環器内科)らの研究グループが、2型糖尿病の女性患者の認知症を、少量のアスピリンが予防する可能性を示す研究結果をまとめた。
アスピリンは鎮痛剤として使われるほか、血液をさらさらにして心筋梗塞や脳卒中の再発を防ぐ効果があることが知られている。
チームは2002~17年、県内54病院を含む全国163医療機関の2型糖尿病患者約2500人を対象に、少量のアスピリンを定期的に「飲む」「飲まない」グループの認知症との関連を調べた。
認知症発症者128人中、女性は69人。このうちアスピリンを飲まなかったのは43人。飲んでいても発症したのは26人と、飲まない場合より4割少なかった。男性では統計的な差がなかった。
がん治療を変える?がんの全ゲノムを解析=1000人以上の研究者が参加し、あらゆるがんの遺伝子情報を網羅した国際研究(2020/02/06 BBC)
科学者らの説明では、がんは10万ピースからなるジグソー・パズルのようなものだが、これまではその99%が見つかっていなかったという。
今回行われた「全ゲノムがん種横断的解析プロジェクト(PCAWGC)」では、がんの2658症例の全ゲノム塩基配列を分析。これにより、患者ごとのがんに特化した治療薬や、がんの早期発見方法の開発などができる可能性があるという。
がんでも「障害年金」を申請できる! 知っておきたい受け取れるお金(2020/02/06 AERA)
関直行さん(42)妻は専業主婦で、10歳と2歳の娘もいる。7年前、進行した「ステージ4a」のすい臓がんだと診断された。
発症当時は、ビル管理会社の管理職。手術を受け、40日弱で職場に復帰した。錠剤の抗がん剤を服用しながらの勤務で、体力もない。しばらくは時短勤務が認められた。だが、人手不足で徐々に仕事量が増え、残業が続くようになった。それでも時短勤務の扱いは変わらず、給料は減額されたままだった。
「体を酷使し、長時間勤務で、おまけに幼い娘の寝顔しか見られない生活は、長く続けられないと思いました」(関さん)
3年前、第2子が生まれるのを機に思い切って退職。1カ月の転職活動で、新たな職を得た。新しい職場にはがんであることを伝えてあり、定時で帰ることも認めてもらった。
ただ、転職後は給料が大幅に減った。子育ては出費もかさむ。転職3カ月後、医師から再発を告げられた。副作用の強い抗がん剤治療に切り替わった。
再生医療装置を開発 澁谷工業、東京医科大と共同研究(2020/02/06 北国新聞)
澁谷工業(金沢市)は5日、再生医療に関する装置を開発するため、東京医科大と共同研究契約を締結したと発表した。体内で細胞間のタンパク質輸送などを担う情報伝達物質「エクソソーム」を大量生産するシステムの開発を目指す。さまざまな病気の治療や診断、美容、機能性食品分野の用途が期待されるという。
研究を担当する同大の落谷孝広教授によると、あらゆる細胞から分泌されるエクソソームには、他の細胞に情報を伝えたり、影響を及ぼしたりする役割があるとされ、病気の治療や診断の一助になるとして世界的に応用研究や実用化が進んでいる。ただ、既存システムでは精製量が少なく、費用もかかるため、大量の培養液から安価で高濃縮の物質を精製するシステムが求められていた。
澁谷工業と東京医科大が取り組んだ実験用のシステムでは、処理量や濃度を高められる結果が出ているという。今後、研究開発を進め、夏ごろの完成を予定している。販売はオーダーメード方式で、数千万円規模になる見通しだ。
笠井信輔アナ、3回目の抗がん剤治療へ 「結婚記念日になんとしても退院していたい」と妻への思いも(2020/02/03 ITメディア)
悪性リンパ腫で闘病しているフリーアナウンサーの笠井信輔さんが2月3日、3回目の抗がん剤治療が始まることをブログで報告。併せて、妻でテレビ東京社員の茅原ますみさんとの“夫婦の絆”を感じるエピソードも披露しています。
2019年12月19日に入院して以来、抗がん剤を5日間24時間連続投与する治療を2回行っている笠井さん。3回目の治療が始まる前に主治医から経過良好だと報告を受けたそうで、「いろいろな映像を見せてくださって『治療は順調に進んでいます』。妻は目に涙を浮かべて『よかったね』と何度も言ってました」と同席した妻の茅原さんが涙ながらに喜んでいたことを明かしています。
視界不良のiPS治療 支援体制の見直し不可欠(2020/02/03 日経)
iPS細胞を使った再生医療の行く手が、視界不良になっている。京都大学の山中伸弥教授が世界で初めてiPS細胞を作って10年あまり。いよいよ治療応用が本格化しようというこの時期に、中核プロジェクトをめぐり政府とのあつれきが表面化し、研究者の間に不安が広がった。再生医療で世界をリードするには政府の支援体制の再構築、研究と実用化を橋渡しする戦略の練り直しが必要だ。
2020年度の文部科学省予算で「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」に約90億円が投じられ、このうち27億円が京大iPS細胞研究所に配分されることが決まった。約10億円は、再生医療に使う細胞の備蓄計画に回る予定だ。例年通りの数字だが、ここに至るまでに不可解な出来事があった。
iPS免疫細胞でがん治療 理研などが治験計画を千葉大に申請(2020/1/30 SankeiBiz)
人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した免疫細胞をがん患者に移植し、がん細胞を攻撃させて治療する再生医療を目指す理化学研究所と千葉大の研究チームが、治験計画の審査を千葉大の委員会に申請したことが30日、分かった。最初の移植手術は夏ごろの実施を目標にしている。
申請は29日に行った。治験の対象は、舌やのどなどにがんができる「頭頸部(けいぶ)がん」の患者で、症状が重い9~18人。がん細胞を攻撃し死滅させる働きを持つ「NKT細胞」と呼ばれる免疫細胞を健常者から採取し、iPS細胞を作製。再び分化させてNKT細胞を大量に作り、患部に移植する。
1人当たりに移植する細胞数は、最初の3人は5000万個で、順調にいけば4人目以降は1億個に増やす。手術後、2年間にわたり治療の安全性や有効性、保健医療として適切かどうかなどを確かめる。
尿1滴でがん検診、実用化…15種のがんを1時間半で検出、費用1万円(2020/1/31 Business Journal)
体長わずか1ミリの「線虫」が、がん患者の尿を高い精度で嗅ぎ分けるという研究が報じられたのは2015年3月。その後、九州大学でこの研究を主導した広津崇亮氏が立ち上げたHIROTSUバイオサイエンスは、精度確保の検証や検査工程の機械化・自動化を完成し、解析センターを設立するなどの課題をクリアし、1月から線虫を使ったがん検査サービス「N-NOSE」を実用化すると発表した。まずは検診センターなどに導入を図り、初年度の検査規模として25万検体を見込んでいる。
15種のがんの有無を1時間半で検出可能
この検査は、線虫ががん患者の尿に集まり、健康な人の尿からは逃げる性質を利用したもので、尿1滴のみで早期がんを含む、ほぼすべてのステージのがんの有無を約1時間半で検出できる。現在のところ、“5大がん”と呼ばれる胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がんを含む15種類のがんの検知が可能だ。実用化当初の費用は9800円程度を想定しているという。
「N-NOSE」では、早期とされるステージ0~1を含めすべてのステージで9割以上の患者を検出できた。統計学上の感度は95.8%、がん患者でない人を正しくがん患者でないと識別する特異度も95.0%と、高い精度を示している。
しかし、15種類のがんの「どれかがある」とは判定できるが、がん種やステージまでは判定できない。もし、がんの疑いがあるとの判定が出た場合は、5大がん検診を受けるなどのステップに進むが、そこで部位やステージが確定するとは限らないのだ。
がん免疫薬の効果、投与から1カ月で判定 京大(2020/1/30 日経)
京都大学の本庶佑特別教授と茶本健司特定准教授らは、がん免疫薬「オプジーボ」が効いているかどうかを判別できるまでの期間をこれまでのおよそ3分の1に短くする技術を開発した。
オプジーボは幅広い種類のがんによく効くが、半数以上の患者に効果がない。早い時期に効いていないと判断できれば患者に適したほかの治療法に切り替えられるが、現状では判別に3カ月程度かかり、実際は効果がなくても無駄な投薬を続けてしまうことがある。
研究チームは肺がん患者54人で、オプジーボを2週間おきに計3回投与する直前に採血した。効果があった患者は、がんを攻撃しうる免疫細胞の比率が高いなどの特徴があった。免疫細胞を詳しく解析すると、治療を始めて1カ月以内に96%の高い精度で効果があるかどうかを判定できた。
山形大学医学部の重粒子がん治療 来年2月めどに開始 当初計画から約1年の遅れ(2020/1/29 Yahoo)
装置の不具合で稼働が延期されている山形大学医学部の重粒子線がん治療装置について、来年2021年2月をめどに治療を始める方向で調整していることがわかった。当初の計画から約1年遅れでスタートする。
山大医学部が整備を進める重粒子線がん治療装置は、速度を加えた炭素イオンをがん細胞に照射し治療する。当初の計画では今年3月の稼働予定だったが、去年3月に装置の性能試験をクリアできず、12月には装置の冷却能力が不足することがわかり、稼働が延期になっていた。
大阪でがん患者向けホテル2月開業 近隣病院と連携(2020/1/29 yahoo)
不動産業の宅都ホールディングス(大阪市中央区)は29日、がん患者向けのホテル「ラクスケアホテル」(同区)を2月4日に開業するのに先立ち、報道関係者に公開した。
大阪メトロ谷町線谷町四丁目駅から北へ徒歩約4分の谷町筋沿いに立地。がんの先進医療を行う近隣の大阪国際がんセンターと連携したサービスを行う。受診や入院で宿泊施設の必要な患者やその家族をターゲットにしており、訪日外国人の医療ツーリズムも取り込む狙いだ。
【がん電話相談から】Q:子宮頸部良性疾患、子宮全摘勧められたが(2020/1/28 産経)
Q 40代の女性です。令和元年9月に膣(ちつ)から不正出血があり婦人科クリニックを受診したが、異常なし。10月に発熱、手足のしびれがあり、内科を受診。CT(コンピューター断層撮影)検査で「子宮に何かがある」と指摘。11月に総合病院婦人科で、造影MRI(磁気共鳴画像装置)やコルポスコピー(膣拡大鏡)検査の結果、子宮頸(けい)管の奥に腺腔(せんくう)の過剰発育を示す小嚢胞(のうほう)群を認めました。12月に診断のため子宮頸部円錐(えんすい)切除術を受けましたが、頸管奥には到達せず診断不能でした。MRI画像から、子宮頸部のLEGHと診断されました。
A LEGHはまれな疾患です。正式名称は分葉状子宮頸管腺過形成です。子宮頸管の内頸部(子宮体部に近い部位)に小嚢胞が著明に集まって分葉状に見られるものです。LEGHはがんではなく、良性疾患ですが、一部のケースで小嚢胞に腺がんが認められることもあり、確定診断が難しいです。
※回答はがん研有明病院の瀧澤憲医師(婦人科前部長)が担当しました。専門医やカウンセラーによる「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は月~木曜日(祝日除く)午前11時~午後3時に受け付けます。
03-5531-0110、無料。個人情報を厳守します。相談内容は匿名で掲載されることがあります。
術前キイトルーダ併用でリンパ節転移のあるトリネガ乳がんpCR率が改善|サンアントニオ乳がんシンポジウム(2020/1/23)
リンパ節転移を有するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者において、抗PD-1免疫治療薬ペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ)を術前化学療法に追加することで病理学的完全奏効率(pCR)が上昇した。このKEYNOTE-522試験結果が、12月10~14日に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)にて発表された。
「トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は高悪性度であり、他の乳がんと比較して診断後5年以内の再発率が高い乳がんです。TNBC患者において、リンパ節転移がより高い再発リスクに関連していることは以前から知られていました」。
と、バーツがん研究所(ロンドン)がん医学教授のPeter Schmid医学博士は述べた。
早期TNBCに対する現在の標準治療は化学療法である。術前化学療法に病理学的完全奏効(pCR)を示した患者の再発率は非常に低く予後は良好であり、特にTNBCのような悪性度が高いがんにその傾向がみられたことが大規模解析で実証されているとSchmid氏は説明した。
「液体のり」放射線治療でも期待の星 がん細胞ほぼ消失(2020/1/23 朝日)
がん細胞に薬剤を取り込ませておき、中性子をあててがん細胞を壊す放射線治療で、薬剤に「ポリビニルアルコールが主成分の液体のり」の主成分を混ぜると治療効果が大幅に高まることを東京工業大のチームが発見し、23日発表した。薬剤が理科の実験でつくったスライムのようになり、がん細胞にとどまりやすくなるらしい。マウスの実験では大腸がんがほぼ消失したという。
この放射線治療は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)。国内10カ所弱の施設で臨床試験が進んでいる。ホウ素化合物の薬剤を注射してがん細胞に取り込ませておき、外から中性子を照射して破壊する。正常な細胞へのダメージが少ないことから、次世代の放射線治療として期待されている。
ステージⅣの「肝臓がん」から生還した患者と、その主治医の全告白(2020/1/23 Yahoo)
ステージⅣのがん患者たちを救うサイバーナイフ手術
米国が敵の弾道ミサイルを迎撃するために開発した巡航ミサイルトマホーク。
このトマホークに搭載されている、標的自動追尾システムの技術を医療に応用した「サイバーナイフ治療」が、いま多くの難治がんの患者の命を救っているということをご存じだろうか。
「病院の開設以来7年間に治療した患者さんは8000人を超えています。頭頚部がんから咽頭がん、肺がん、前立腺がん、肝がんなど体の上から下までサイバーナイフで治療していますが、ほとんどが外科で言うステージⅣの難治がんの患者さんです」
こう話すのはサイバーナイフ治療の名手として、欧米でも広くその名を知られた宮崎紳一郎・放射線治療科サイバーナイフ治療部長だ。
宮崎医師はサイバーナイフ手術で数多くの難治がん患者たちを救ってきた。
大内利修氏(61歳)は、転移再発したステージⅣの肝臓がんから宮崎医師のサイバーナイフ治療で生還した一人だ。
あらゆる癌細胞を攻撃できる「万能型」免疫細胞が発見される(2020/1/23 NicoVideo)
あらゆるがん細胞を認識できる「万能型」キラー細胞が発見された
・体外に取り出した免疫細胞を「万能型」に遺伝編集することで、あらゆるがん細胞を殺せる
・近年のがん治療は、人間に元から備わった免疫力を強化する免疫療法の比重が増しています。
ですが、がん細胞は発生した臓器ごとに表面構造が異なっており、従来の免疫療法では全てのがん細胞を認識することができませんでした。
しかしイギリスのカーディフ大学の研究者たちによって、新たに広範囲のがん細胞を同時に認識できる「万能型」免疫細胞が発見され、免疫治療法の革新が起きようとしています。
「がん細胞だけを殺す新型の免疫細胞」をCRISPR-Cas9で開発することに成功(2020/1/21 Gigazine)
CRISPR-Cas9を応用したゲノム編集技術で「がん細胞だけを識別して殺す免疫細胞」が開発されたと報告されました。
T細胞をつかってがんを治療する「CAR-T細胞療法」は、患者のT細胞を体外に取り出してから、がん細胞の目印を見分けるように遺伝子を改変して培養し、再び体内に戻してがん細胞をやっつけるという免疫療法です。ただし、CAR-T細胞療法は、従来の方法では限られた種類のがんだけにしか効果がないのが難点といわれています。
カーディフ大学の研究者は、「ほとんどの種類のがん細胞を識別可能なTCR」を備えたT細胞を、CRISPR-Cas9を応用して作り出すことに成功したと報告しました。このT細胞は、健康な細胞を無視しながら、肺・皮膚・血液・結腸・乳・骨・前立腺・卵巣・腎臓・子宮のがん細胞を殺すことができたことが実験室で示されたとのこと。また、ヒトの免疫系とヒトのがん細胞を持つマウスにこのT細胞を注入したところ、従来のCAR-T細胞療法に匹敵する効果が示されたと研究チームは報告しています。
認知症の数十万人「原因は処方薬」という驚愕(2020/1/22 東洋経済)
自分の親が病院にかかった途端、別人のように変わり果てる――。
・生気がなくなり、歩くのもおぼつかなくなって、やがて寝たきりになってしまう
・落ち着きを失い、ときに激昂し暴言・暴力をふるう
・記憶力や思考力などの認知機能が低下する
医師から処方される薬剤が原因で、こんな症状に陥る高齢者が数十万人に及ぶかもしれないとしたら信じられるだろうか。海外では早くから、その原因となる薬剤の危険性が指摘されながら、日本では長い間、放置されてきた。最近になって学会が注意を促し始めたが、改善される兆しはない。
薬剤によってこうした症状に陥ることを「薬剤起因性老年症候群」と呼ぶが、高齢者にとって人生総決算の大切な時期に普段の自分を見失うことは、いわば尊厳を奪われるに等しい。注意を要する薬剤を適正に使っていない点では、まさに「薬害・廃人症候群」と呼ぶべきだろう。問題を掘り下げていくと、日本の高齢者医療のひずみが生んだパンドラの箱に突き当たる。計3回連載でその真実に迫る。
9800円で全身をがん検査、「線虫」が拓くがん早期発見の道(2020/1/19 女性自身)
痛い、費用が高い、そもそも見つけにくい……。多くの問題を抱えていた従来のがん検査。それを次々とクリアするような技術が開発され、これからは「早期発見・早期治療」が限りなく可能な時代へ!ーー。
1月6日、たった1滴の「尿」から、がんの有無を見分ける検査法がついにスタートした。その検査法とは、線虫の一種である「シー・エレガンス」という体長約1ミリメートルの生物の嗅覚を利用した「N-NOSE」だ。
この線虫には、犬の約1.5倍の嗅覚がある。資料写真では、シャーレにがん患者の尿を垂らしたところ、その尿に向かって線虫が集まっていく様子がとらえられている。この線虫、健常者の尿からは逃げていくという性質を持っている。
「早期がんを含むがん患者と健常者の尿を採取し、計1,368名を対象にした基礎研究を行ったところ、ステージ0〜1のがん患者を85%、ステージ4で91.7%の確率で見分けるという結果を得ました」
こう語るのは「N-NOSE」を運営、事業展開するHIROTSUバイオサイエンス広報担当・永溝はるかさん。現在、線虫が反応することがわかっているがんは15種類(胃、大腸、肺、乳、膵臓、肝臓、前立腺、子宮、食道、胆嚢、胆管、腎臓、ぼうこう、卵巣、口腔・咽頭)。
開発したのは、同社代表の広津崇亮さん。同氏は、九州大学大学院の助教時代に、線虫ががん患者の尿の臭いをかぎ分けることを証明した生物学者。’16年に実用化に向けて独立し、同社を設立した。
富士通が従業員7万人に「がん教育」(2020/1/17 日経BP)
富士通は2020年1月15日、国内の従業員7万人を対象にがんの予防や仕事と治療の両立支援などを学ぶ「がん教育」を開始した。同年3月末までの間、医師による講義とe-Learningを受け、がんの正しい知識を習得する。生活習慣の改善、検診受診率向上につながる健康意識の向上を図る。企業の従業員向けがん教育としては国内では最大規模で、海外でも例がないという。
従業員向けがん教育のプログラム監修と講義は、東京大学医学部附属病院 放射線治療科 准教授の中川恵一氏が務めた。同日、250人の従業員が会場で受講し、同時に全従業員に向けオンラインで配信。講義は録画され、いつでも聴講できるようにする。
e-Learningは、「がんの基礎知識」「がん予防につながる生活習慣」「早期発見・早期治療のためのがん検診の重要性」「仕事と治療の両立支援」などのプログラムで構成。同社のe-Learningシステムを用いて、3カ月間で全従業員が受講するよう勧奨していく。
同社では、従業員のがんによる死亡者数は、直近5年間の男性は年平均で8.8人、女性は同1.2人。新規発生は男性が同37.4人、女性が11.2人だという。
現職医師も驚く 異色の医療ドラマ「アライブ」が描くがん診療のリアル(2020/1/15 Yahoo)
1月9日から放送が始まった「アライブ」(フジテレビ)は、主人公が腫瘍内科医という異色のドラマ。
多くの腫瘍内科医が監修に加わり、がん診療の現場がリアルに描かれます。
ーそもそも、腫瘍内科とはどういう科なのでしょうか?
多くの病院では従来から、がんの種類ごとに別々の診療科が治療を担当する、というのが一般的です。
例えば、大腸がんなら消化器科、肺がんなら呼吸器科、といった具合ですね。
ーしかし、近年がん治療は多様化、複雑化しています。
抗がん剤の種類は膨大に増えている上に、手術や放射線治療など様々な手段を組み合わせてがん治療を行う必要があります。
また、抗がん剤の副作用のマネジメントに関しても、多彩な知識が必要です。
こうした中で腫瘍内科医は、がん種を問わず、がんを包括的に診る専門家として、各診療科と連携しているのです。
抗がん剤の副作用を予防・軽減、「支持療法」を究める医師の思い(2020/1/16 ダイヤモンド)
支持療法とは、「がんそのものに伴う症状や治療による副作用に対しての予防策、症状を軽減させるための治療」(国立がん研究センター がん情報サービス)だ。静岡がんセンターは2002年の開院当初より、「支持療法」「抗がん治療」「緩和ケア」を3大治療方針として掲げ、実践してきた。
2016年に、支持療法をより適切に提供する目的で日本初の「支持療法センター」を開設した際、担当に任命されたのが、消化器内科部長として長年にわたり化学療法に取り組んできた安井先生である。
患者の状態や背景がさまざまで「この治療法を」という“正解”がない腫瘍化学療法について、静岡がんセンターの経験則から治療選択の注意点や有害事象対策のポイントをまとめた『静がんメソッド』の「消化器癌・頭頚部癌編」「乳癌編」「肺癌編」等々の著・監修・編集を手掛けてきた化学療法のプロフェッショナルだ。
“療法”とは名ばかりで、治すことができない化学療法。それ以外の治療手段を持たないことに悔しさや虚しさを感じた安井先生は、最先端の考え方と治療法を学ぶために、静岡がんセンターを選んだ。
「患者さんを少しでも治せる方法があるんだったら、僕が知らないからやらなかったというのは、あってはならない。患者さんにも申し訳ない。『やれることがあります』と選択肢を提示して、『あなたにとってはこっちがいいです』というようなやりとりができるようになりたかったんです。がん医療を専門にしたかったのではなく、考え方やどういう治療法があるのかを学ぶために、ここに来ました。
虫下し(駆虫薬)のフェンベンダゾールは本当にがんに効くのか? がん治療医の解説(2020/1/15 Yahoo)
少し前、患者さんからこのような質問を受けました。
「先生、虫下しってがんに効くのでしょうか?」
初耳だったのですが、気になることは早めに調べることが大切。
どうやら元ネタと思われる、フェンベンダゾールという虫下し薬を飲んで、小細胞肺がんが完治したとする米国のサイトはすぐに見つけることができました。
ただざっと調べると、その時点ではそれほど裏付けが有力なものではなく、様子見が妥当と思われました。
そこで私の頭の中でフェンベンダゾールという名前は時とともに薄れていったのですが、その間に大変なことになっていたのです。
YouTubeやメディアで拡散
2018年6月の日付で投稿されているジョーティッペンスの体験談。
そこには、小細胞肺がんを患ったジョーティッペンスが、抗がん剤治療と放射線治療を受け、それにプラスして(医師に内緒で)フェンベンダゾールといくつかの薬剤を飲み、劇的ながんの消滅を得た逸話が書かれています。
彼によると、40人程度が彼の方法で改善しているということです。
2019年になると、彼の話は口コミになり、テレビ局も取り上げました。
大きな影響を受けたのは、韓国でした。同国ではYouTubeが拡散に大きな役割を果たしました。
米国で働く韓国人医師が、動画上でがん患者に駆虫薬をがん治療薬として研究するように政府に働きかけることを呼びかけ、それを見た視聴者が実際に政府への請願書を集めました。
さらには、数人のがん患者が駆虫薬を服用した後の副作用で病院に入院し、死亡者を1人出す結果になったにもかかわらず、別の韓国で働く医師がYouTube上で安全と主張するなど混乱が起こりました。
フェンベンダゾールには抗がん効果はあるようですが、元々ヒトに対して使われておらず、動物では骨髄抑制(骨髄の働きが抑制されて造血機能が障害され、白血球・赤血球・血小板が減少し、感染症や貧血、出血などの症状が現れること)や腸壊死などの副作用があります。
ネットで申し込み、唾液送って「がんリスク」検査 千葉大発ベンチャーが新事業(2020/1/12 毎日)
健康な人を対象に遺伝性の乳がん・卵巣がんの発症リスクを確かめる遺伝子検査で、インターネットで依頼でき、結果の連絡やカウンセリングも医師や専門家と対面しない有料サービスを千葉市の企業が計画し、近く第三者の倫理審査委員会に諮る。了承され次第、年内にもサービスの提供を始めたい考えだ。
この検査で陽性なら、発症確率は最大7割程度とされる。生物が持つ全ての遺伝情報を指すゲノム。解析技術が進み消費者向け遺伝子検査が広がるが、これほど重大な結果を医療機関を介さず、一度も会わずに伝えるサービスは異例だ。
千葉大発のベンチャー「ゲノムクリニック」は、2019年4月から「対面式」で同様の検査を提供し、代表取締役の曽根原弘樹医師(36)によると、これまで約50人が利用している。陽性の判定例はまだない。
新事業では、ネットで受け付けた後に電話などで検査の意味を説明し、検体の唾液を郵送してもらう。遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の原因となる遺伝子変異を調べ、結果を郵送かメールで通知する。利用者の1%程度と想定する陽性なら「病原性あり」と提示。電話などで臨床遺伝専門医らのカウンセリングを受けてもらい、提携医療機関か遺伝診療部のある病院を紹介する。
日本初。がん経験者専用の保険。がんになっても入れるほけん「がん治療中」申し込み受付中(2020/1/14 PR TIMES)
「がん治療中だから保険に入れないと思っていませんか?」過去にがんと診断されたことがあっても諦めないでください。がん治療中でも申し込みできる保険がスタートしました。
最近、「がん保険」という言葉をよく耳にしますが、これは将来のがんに備えるものであり、今、がん治療中の方は申し込みできませんでした。
「がん治療中の人は、保険を必要としていないのでしょうか?」
そんなことはありません。がん治療中の方の多くが、保険を必要としています。がんは、転移や再発のリスクが高い病気です。がんと診断されると生活は大きく変化します。仕事の事、子供の事、がん治療の事など様々な問題に直面します。もしものときに、当面の家族の生活費を準備しておきたい。葬儀費用の準備をしておきたい。そのような多くのお声から、がん罹患者専用の死亡保険「がんになっても入れるほけん がん治療中」が発売されました。(富士少額短期保険株式会社)
https://www.fujishotan.co.jp/gan/
がん保険給付金、契約者で「割り勘」 国内初「P2P」(2020/1/11 日経)
保険スタートアップのジャストインケース(東京・千代田)は、個人の契約者同士でリスクをシェアする国内初の「ピア・ツー・ピア(P2P)保険」の販売を月内に始める。契約者はがんと診断されたら給付金をもらえる。給付金の元手となる保険料はすべての契約者が月ごとに後払いする。商品として定着するには、契約者数の拡大が課題となる。
がんの診断給付金は1人あたり80万円の予定だ。契約者が1万人で、がんと診断されたのが1人の月の場合、同社が受け取る30%の手数料を加えた104万円を1万人で割り勘し、1人あたり104円を後払いする。手数料は契約者数の規模によって変動する。
保険料は一般の保険のようにあらかじめ払うのではなく、給付が発生したら後払いする形だ。契約者が増え、がんと診断される人が少ないほど保険料は安くなる。
保険料には年齢に応じて上限を設ける。39歳までは約500円、40歳から54歳までは約1000円になる。保険料が給付額に満たない場合は、同社が負担する。契約者が少ないと保険料が高くなりやすいため、サービスを軌道に乗せるには早期に契約者を増やす必要がある。
注目ドラマ紹介:「アライブ がん専門医のカルテ」放送開始(2020/1/9 Myナビ)
女優の松下奈緒さん主演の連続ドラマ「アライブ がん専門医のカルテ」(フジテレビ系、木曜午後10時)が1月9日スタートする。腫瘍内科が舞台で、松下さん扮(ふん)する“がん治療のスペシャリスト”の腫瘍内科医・恩田心(おんだ・こころ)と、木村佳乃さん演じる“がんと闘う女医”で有能な消化器外科医・梶山薫(かじやま・かおる)という2人の女医のタッグを中心に、がん治療の最前線で戦う医師と患者の姿を描く完全オリジナルの医療ドラマだ。
#1「原発部位が不明のがん」(Tver)→ https://tver.jp/corner/f0044764
米国のがん死亡率、過去最大の下げ幅(2020/1/9 Wall Street Journal)
米国がん協会(ACS)が発表した最新の報告書によると、米国では2016~17年にがん死亡率が2.2ポイント低下し、年間で過去最大の下げ幅を記録した。がん死亡率の低下傾向は25年前から続いている。
ACSが発行する医学誌「CA」に8日掲載された同報告書によると、最も急速に低下したのは悪性黒色腫(メラノーマ)の死亡率だが、全体としては肺がん治療の進歩が大きく寄与した。
肺がん専門医によると、肺がんの死亡者数減少の大きな要因となったのは喫煙率低下で、がんの早期発見や治療方法の進歩も貢献した。悪性黒色腫では、スイスの製薬大手ロシュ・ホールディングの「ゼルボラフ」や米製薬大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブの「ヤーボイ」などの治療薬の登場が死亡率低下につながったと報告書は指摘する。
うつ、肥満、免疫異常やガンのリスクも……健康のカギを握る「睡眠」の謎(2020/1/9 business insider)
筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)機構長の柳沢正史教授が、睡眠と覚醒の切り替えを制御する脳内神経伝達物質「オレキシン」を世界で初めて発見し、一躍世界の注目を集めたのは1998〜1999年のこと。
その後、米国の製薬企業のメルクが、オレキシンによる覚醒作用を抑えることで睡眠を促すタイプの新規の睡眠薬を発売。一方で、柳沢教授は覚醒作用を活かす創薬に挑戦している。これが開発されれば、うつ病やアルツハイマー病などから生じる日中の眠気を抑えるだけでなく、現代人を悩ませる、メタボリック症候群をはじめとした多くの生活習慣病を改善するなど、大きな効果が期待されている。
iPS細胞の一部に異常発生 京大から研究機関に出荷後(2020/1/8 朝日)
体の様々な組織になれるiPS細胞を備蓄し、再生医療用に提供する京都大iPS細胞研究所のストック事業について、一部のiPS細胞の出荷後、がんに関連する遺伝子などに異常が起きていたことがわかった。
iPS研によると、提供したiPS細胞の一部で、がんに関連する遺伝子などの異常が見つかった。提供時点で異常がないことを確認しており、提供後の培養や、組織に変化させた後で異常が起きたとみられる。関係者によれば、がんを抑制する働きなどを持つ遺伝子「ARID1A」に異常があった。
これまで患者に移植した組織は、直前に遺伝子をすべて解析して異常がないものを選んで使っているため、安全性は確保できている。iPS研の担当者は「どんな細胞でも増殖すれば異常が起きる可能性があり、研究途上にある」と話している。
そもそも免疫は高めた方がいいの? 免疫の噂のウソ・ホントをチェック(2020/1/8 Tarzan)
A. 下げない努力は必要だが、高めすぎるのはNG。自己免疫反応のリスク大。
筋力や持久力のように免疫も後天的に高められるのか?
「免疫は安定していることが重要。血圧や心拍数のように多少の波はあっても、極端に上がったり、下がったりしないのが理想です」
ストレスに長期間晒されると免疫はダウンするが、ストレス解消に励んでも免疫が上がるわけではない。万一免疫が上がりすぎたら逆にマイナス。自らの細胞に反応しない自己寛容との微妙なバランスが崩れるからだ。例を挙げよう。
がん細胞は、免疫の働きすぎを抑えるT細胞上のPD-1という場所に結びついて、免疫細胞から逃れる。2018年のノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑さんが開発したがん免疫治療は、PD-1を阻害する抗体を投与する方法だ。
「するとがんへの攻撃力も高まりますが、免疫が働きすぎて末梢での自己寛容が弱まり、健康な細胞を攻撃し始める。治療を受けた患者の約7割で自己免疫反応が表れるという報告もあります」
“小児がんの薬開発”を考える 東京でシンポジウム(2020/1/8 NHK)
小児がんは年間2000人以上が発症し、子どもが亡くなる病気で最も多くなっていますが、100を超える種類があり、それぞれの患者数が少ないことなどから薬の開発が進みにくいのが課題になっています。
東京 中央区の国立がん研究センターでは、小児がんの薬の開発を考えるシンポジウムが開かれ、医師や製薬企業の関係者、それに患者の家族などおよそ100人が参加しました。
この中で、神経のがん「神経芽腫」の患者会代表、浦尻みゆきさんは、薬が使えずに亡くなった子どもや、未承認の薬を個人輸入して使っている子どもがいると紹介し「1日でも早く状況を改善してほしい」と訴えました。
また、国立がん研究センター中央病院の小川千登世医師は、小児がんの場合、遺伝子を調べて最適な治療薬を選ぶ「がんゲノム医療」で結果が分かっても、使える薬は僅かだとして、新薬の開発は大人と子ども、同時に進めるべきだと述べました。
免疫細胞活性化、鍵は「繊維」 仕組み一端解明、がん治療活用つながる可能性(2020/1/7 京都新聞)
免疫細胞のリンパ球が活性化する仕組みの一端を解明したと、京都大のグループが発表した。がんや自己免疫疾患の治療法開発につながる可能性がある。
リンパ球の一種「T細胞」は、細胞膜にある受容体と呼ばれるタンパク質でウイルスなど異物を認識し、ほかのT細胞を増殖させて免疫機構を活性化させる物質を産生する。受容体を介した情報伝達にはタンパク質「Zap70」と「LAT」が重要な役割を果たしているが、詳しいメカニズムは分かっていなかった。
医学研究科のタムケオ・ディーン准教授や大学院生の桂義親さんらは、細胞の中にある繊維「アクチン」に着目。アクチンがZap70を細胞膜の近くに囲い込んでいることを観測した。さらにアクチンを長く伸ばす物質がないとZap70とLATがうまく反応せず、T細胞の増殖や活性物質の産生が抑えられることが分かった。
桂さんは「T細胞を活性化させたり抑制したりすることで、がんや自己免疫疾患の治療に応用できるかもしれない」と話す。
肝細胞がんの免疫細胞療法 信大が国際共同研究 シンガポールに技術提供(2020/1/8 信州毎日)
がんの新たな免疫細胞療法「CAR(カー)―T細胞療法」開発に力を入れる信州大医学部(松本市)と、シンガポール国立がんセンターが今月、東南アジアで患者の多い肝細胞がんの治療法開発に向けた国際共同研究を始めた。信大側がCAR―T細胞の作成技術などを提供。3年後をめどに同国で臨床試験に入りたいとしている。
CAR―T細胞療法は、がん患者の体内から免疫細胞の一種「T細胞」を取り出し、がん細胞だけを攻撃するよう遺伝子を改変して体内に戻し、治療する。遺伝子改変はウイルスを使う手法が主流だが、シンガポールでは安全性などから制限があるという。
一方、信大医学部の中沢洋三教授(49)らはウイルスでなく、酵素の力や電気刺激で遺伝子を改変する手法を確立。現在、急性骨髄性白血病への効果が認められるCAR―T細胞を作り、2020年度に開始予定の治験に注力しようとしている。
斎藤講師によると、東南アジアで肝細胞がん患者が多いのは、原因となる肝炎ウイルスの感染対策が先進国ほど充実していないことなどが背景。肝細胞がんはシンガポールではがん死因の2位、日本でも5位で、進行期の5年生存率は10%という。
製薬のメルク下落 がん治療の試験結果に失望(2020/1/7 日経)
6日夕の米株式市場の時間外取引で製薬大手メルクが下げている。通常取引を前週末比0.4%高の91.64ドルで終えた後、90ドル台後半に下げる場面があった。主力のがん免疫治療薬「キートルーダ」と化学療法を併用する肺がん治療の第3相臨床試験で、主要評価項目である全生存期間を統計的に有意に延長できなかったと発表。主力薬の新療法による収益期待が剥落した。
キートルーダと化学療法の併用療法では、化学療法のみの治療に比べ、進展型小細胞肺がん患者の一次治療で無増悪生存期間の延長では有意な結果が得られたという。全生存期間の延長では一部の患者に効果があったが、統計的に有意な結果は得られなかったという。
インフルエンザ・ワクチンを腫瘍に注射することで、がん細胞を減らすことができるとする研究結果(米研究)(2020/1/5 Exite)
今回の研究グループが、3万人の肺ガン患者の中からインフルエンザになった人を探してみたところ、意外な事実が明らかになっている。
肺ガンとインフルエンザのダブルパンチはさぞかし辛いだろうと思うかもしれないが、なんとそうした患者はインフルエンザにかからなかった患者よりも死亡率が低かったのだ。
研究グループは今年のインフルエンザ・ワクチンを入手して、これをマウスの腫瘍に注射してみた。すると腫瘍の成長が遅くなったばかりか、インフルエンザに対しての免疫までつくという一石二鳥の結果が得られた。
陽子線とエックス線とには、大きな違いが一つあります。
エックス線を身体の外から当てると、身体の表面近くに最も放射線が当たり、身体の奥に行けば行くほど当たる放射線の量は少なくなります。それに対して陽子線は、身体の表面近くではエネルギーを放出しません。陽子がある程度身体の中に入り、陽子の粒の動きが体内で止まる直前に大きなエネルギーを放出して、周りにダメージを与えるという特徴があります。そのため、身体の中にある病巣の手前側やその先にあまり放射線は当たらず、病巣のみに効率よく放射線を当てることができるという利点があるのです。
肝臓がんはなくなる? B型・C型肝炎ウイルス感染減少(2020/1/4 朝日)
日本の場合、年間2万7千人が肝臓がんで亡くなっていますが、年間死亡者数は00年代から減る傾向にあります。その大きな要因としては、肝炎検査の促進や、抗ウイルス薬やワクチンの推進などの肝炎ウイルス対策が進んで、B型やC型肝炎ウイルスの感染者が次第に減ってきていることだと指摘されています。
広島大の田中純子教授(疫学・疾病制御学)らによると、厚生労働省研究班調査では、2000年時点でのキャリアは、B型とC型で計300万~370万人と推計されました。これに対して、11年では209万~284万人と、10年で約100万人が減っていることになりました。
アステラス、がん免疫療法開発の米社を買収 最大6.6億ドル(2019/12/27 Newsweek)
アステラス製薬 <4503.T>は27日、米ザイフォス・バイオサイエンシズ(米カリフォルニア州)を買収したと発表した。買収手続き完了時に1.2億ドルを支払うほか、開発進捗に応じたマイルストン支払いを合わせると買収金額は最大で総額6億6500万ドルとなる。
ザイフォス社はがん免疫治療技術を活用した医薬品の研究開発を行っている。
ニボルマブ・イピリムマブ併用、非小細胞肺がんに対する国内承認申請/小野・BMS(2019/12/27 Care Net)
小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2019年12月25日、PD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とCTLA-4モノクローナル抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する両剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。
今回の承認申請は、小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、化学療法未治療のStageⅣまたは再発の非小細胞肺がん患者を対象に実施した国際共同非盲検無作為化第III相臨床試験(CheckMate-227試験)の Part1の結果などに基づいている。本結果において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目の1つであるPD-L1発現レベルが1%以上の患者における全生存期間の有意な延長を達成している。
2剤の併用療法は悪性黒色腫と腎細胞がんで承認。高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がんの適応でも申請している。
島津製作所,質量分析技術を用いた新しいがん免疫療法の確立へ。米プロビデンスがん研究センターとの共同研究を本格化(2019/12/26 Inner Vision)
島津製作所は,米国のプロビデンスがん研究センター(Providence Cancer Institute,オレゴン州ポートランド,以下Providence)と共同で「質量分析技術を用いた新しいがん免疫療法」の研究開発を進めていく。研究では頭頚部,肺,腎などのがんを標的としている。
がん免疫療法において,個別患者に対する治療効果の最適化は,がん治療の根本的な改革につながる。同社とProvidenceは,免疫療法における個々人のがんの目印(抗原)や治療薬の体内動態を識別する技術開発を行う。これらの技術は,個別化医療の技術確立に貢献できると考えている。
遺伝子検査、シードも参入 健康リスク判定(2019/12/26 日経)
病気のリスクを遺伝子で調べる検査サービスが日本でも広がってきた。将来かかる可能性のある病気や自分が太りやすい体質かどうかなどを簡易キットで調べる。数千円でできることから普及が進み、専門の検査企業のほかコンタクトレンズ大手のシードなども参入している。
病院の受診を促したり生活習慣を見直したりするきっかけにつながりそうだが、解析できることは健康リスクの判定にとどまる。誤った医療や差別に使われる事態を防ぐ努力も必要だ。
富士フイルム、認知症治療薬を欧州で治験(2019/12/25 日経)
富士フイルムはアルツハイマー型認知症の新薬候補物質の効能を調べる臨床試験(治験)を欧州で始めたと発表した。ドイツや英国、オランダなど7カ国の計約200人の患者を対象に実施し、認知症の進行との関連が疑われる脳内物質を減らす効能の有無を調べる。
治験は2023年までを予定し、良好な結果が得られた場合は、新薬の販売承認を得る最終段階の治験に進む見通し。
富士フイルムの新薬候補物質「T-817MA」は、リン酸化タウと呼ばれるたんぱく質を減らす効能が期待されている。脳内にリン酸化タウが増えると認知機能が低下するとされており、製薬各社が認知症治療薬開発の手掛かりにしている脳内物質の1つだ。軽度の認知症患者に投与された場合、症状の進行を食い止められる可能性がある。
富士フイルムは14年から17年まで、米国で類似の治験を実施した。このときの治験ではリン酸化タウを減らす効果は認められたものの、認知機能の改善については科学的に有効なデータを得られなかった。最終段階の治験に進めるだけのデータを欧州で得られるかが、課題になる。
膨れたほくろ、正体は皮膚のがん 妻は料理を教え始めた(2019/12/25 朝日)
2017年7月、左側の鎖骨のホクロが、旅に出る前よりふくらんでいるのが気になった。
7月28日、大阪市の自宅近くの総合病院へ。「イボを切ってすっきりしましょうねぇ」と看護師さんに言われ、「イボやて。病院なら腫瘍(しゅよう)って言うもんやろ?」と妻は軽口をたたいた。
6日後、妻からメールが届いた。「イボやなくてメラノーマ(悪性黒色腫)やて。初期ではないって」。ステージ2bだった。
メラノーマって、「巨人の星」の星飛雄馬の恋人がかかった病気では? 初期ならば完治の可能性が高いが、進行して転移すると……。「まずい、まずいよ」つぶやきつづけた。
免疫細胞療法(CAR-T細胞療法)、見えてきた課題(2019/12/25 日経)
白血病の一部に高い効果を示す「CAR-T療法」。今春に高額な薬価がついて日本でも登場したが、いったん白血病の細胞が消えても病気が再発するなど、課題も見えてきた。効果を高めて普及をはかるには、どんな改良を加えればよいのか。日本で初めてのCAR-T療法の臨床研究をタカラバイオと共同で実施した、自治医科大学の小沢敬也名誉教授に聞いた。
――現在の治療法の課題は何ですか。
「長期的な効果は満足できるものではない。投与したCAR-T細胞が、患者の体内で長く生きられないためだ。特に治療を始める時点で体内に多くのがん細胞があると、2~3年後の生存率は2割以下に下がる。国内外で進行中の、体内でCAR-T細胞をできるだけ長生きさせる研究を加速すべきだ」
――現在は一度きりの投与を2回繰り返す方法も注目されています。
「1回の投与で十分に効果が出ずに、再投与をしたいという医療現場のニーズがある。だが、自治医科大の研究で再投与をしても、効き目が出なかった。CAR-T細胞は免疫細胞のT細胞に遺伝子を導入し、表面に抗体を持つようにした細胞だ。現在はマウスの抗体を使うため、再投与後に異物としてヒトの免疫系が排除してしまう」
「抗体をヒトのものに変えれば、免疫系の攻撃を避けられる。米ペンシルベニア大学の研究チームは、抗体の部分をヒト抗体に近づけたCAR-T細胞を白血病の患者へ投与して効果が出た。中国では、ヒト抗体を使ったCAR-T療法の研究を進めている」
――固形がん向けでも、CAR-T療法の普及が期待されます。
「白血病向けのCD19以外の抗原を持つCAR-T療法の開発が世界で進んでいる。だが難易度は高い。血液がんと異なり、大きな塊を作る固形がんはCAR-T細胞が内部に入りにくい。固形がんの内部や周囲には間質という障壁のような組織やCAR-T細胞の働きを抑える他の細胞などがあって手ごわい。オプジーボをはじめとする免疫チェックポイント阻害剤などと併用する試験が進むが、さらに工夫が必要だ」
――ゲノム編集技術への期待は。
「CAR-T細胞の免疫機構の一部をゲノム編集で働かなくして正常な組織への攻撃を防ぎ、拒絶反応を起こらなくすることで、他人由来の細胞で治療できるようになる。そうしたCAR-T細胞をあらかじめ大量に作り保管しておけば、重症患者もすぐに治療できる。だが多くの患者に使えるように、CAR-T細胞を大量に増やすのは難しい。増殖力が高いiPS細胞からCAR-T細胞を作る研究に期待がかかる」
診断画像をクラウド化、がん細胞認識AIで更なるデジタル化を目指す|長崎発ベンチャーN Lab(2019/12/25 Ledge.AI)
10年後に従事者の平均年齢が定年を迎える業界がある。日本の病理医業界だ。
日本の病院の約半数に病理医がおらず、全国平均年齢も約55歳と高齢
高齢化をはじめ、病理医業界の課題解決に向けて立ち上がったのが、自身が肺がんを専門とする医師でもあるという、N Labの北村由香氏だ。「治療に役立つ病理検査」を追求するN Labでは、バーチャルスライドの作成とクラウド管理、病理画像AIの研究を通して病理医不足解消を目指す。
今回は、病理検査における課題やN Labの取り組み、今後の展望について北村氏に詳しく聞いた。
無届け再生医療で厚労省が刑事告発、大阪医大元講師「アンチエイジングだった」(2019/12/25 読売)
大阪医科大学(大阪府高槻市)の講師だった男性医師(52)が国に無届けで脂肪幹細胞を人に投与した事件で、厚生労働省は24日、この元講師を再生医療安全性確保法違反容疑で大阪府警に刑事告発した。府警は同日、告発を受理。すでに元講師の関係先を同法違反容疑で捜索しており、捜査を進めている。
大阪医大によると、元講師は在職中の3~5月、再生医療を実施する際に必要な国への届け出などを行わないまま、大阪医大の研究施設で、様々な細胞に変化しうる脂肪幹細胞を男女4人(40~80歳代)から採取して培養。4人のうち40歳代の女性1人に対し、この女性から採取・培養した脂肪幹細胞を投与したという。
笠井アナ「副作用はこれから」 抗がん剤治療開始を報告(2019/12/23 FNN)
フリーアナウンサーの笠井信輔さん(56)が、インスタグラムで、抗がん剤治療の開始を報告。
笠井信輔さん インスタグラムより
「入院5日目。ついに抗がん剤治療が始まりました。初日なので、いろんなコードを体につけて体調を見ながら、24時間点滴を続けます。副作用が出るのは、これからなんでしようね」
血液のがん、「悪性リンパ腫」であることを明かしたフリーアナウンサーの笠井信輔さん。
掲載された写真は、病室のベッドで、ピースサインを向ける姿。
その指には、何本ものチューブやコードが。。。
通常の3倍の速さで遺伝子が変異 腸の難病と発がん関係(2019/12/23 朝日)
難病の潰瘍(かいよう)性大腸炎によって大腸がんのリスクが高まる原因を、京都大などのチームが明らかにした。大腸の粘膜で炎症と再生が繰り返され、がん関連遺伝子を含む多くの遺伝子が変異していた。
潰瘍性大腸炎は下痢や血便などの症状が出る難病で、原因はわかっていない。患者は国内では約17万人で、欧米など先進国に多い。大腸の炎症が長期間続くことで、大腸がんの発生リスクが15~20%に高まる。
白血病 池江璃花子、退院を報告「24年パリ」「メダル」(2019/12/18 スポーツ報知)
白血病で闘病している競泳女子の池江璃花子(19)=ルネサンス=が17日、自身の公式サイト、SNSを更新し、退院を報告した。この日午後6時に直筆メッセージをアップ。「2月から入院生活をし、約10ケ月の月日が経ちこの度退院することができました」と、周囲の感謝や率直な思いをつづった。
所属事務所の説明によると、2月の入院後の検査で急性リンパ性白血病と診断された。当初は化学療法による治療を行ったが、合併症を併発したため継続が困難になり、造血幹細胞移植を行った。その後寛解状態を維持し、体調も安定したことで退院に至ったという。
がん5年生存率66.4%に : 乳がん、前立腺がんは90%超(2019/12/17 nippon.com)
国立がん研究センターは2010~11年にがんと診断された患者が5年後に生存していた確率は66.4%だったと発表した。がん治療の拠点病院など318施設で診断を受けた約65万人のデータを基に、がん以外の死因の影響を除いて集計した。5年生存率は治癒の目安とされている。09~10年の患者の生存率に比べ、0.3ポイント上昇した。13年にがんと診断された患者の3年生存率は、がん全体で72.4%(前年比0.3ポイント上昇)だった。
部位別では、前立腺、女性乳房は5年生存率が9割以上と高かった半面、早期発見が難しいすい臓は、3年が18.0%、5年生存率が9.8%だった。
乳がん、卵巣がんの予防切除に保険適用へ 来年4月から(2019/12/14 朝日)
将来がんになるリスクを下げるため、遺伝性の乳がんや卵巣がんの患者が予防的に、がんのない方の乳房や卵管・卵巣を切除する手術に、来年4月から公的医療保険が使える見通しになった。13日の中央社会保険医療協議会(中医協=厚生労働相の諮問機関)に方針が示され、大筋で了承された。今後、対象となる患者や実施できる施設の要件などを決める。
対象は、BRCA1やBRCA2という遺伝子に変異があり、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)と診断された、乳がんや卵巣がんの患者。家族にこれらのがん患者がいることも要件で、国内に数千人いるとされる。この変異がある人は生涯で乳がんになる割合は40~90%と、日本人全体の9%と比べ高く、卵巣がんになる確率も高い。
切除や乳房再建のほか、遺伝子検査、遺伝カウンセリング、切除を希望しない患者向けにがんが発生していないかをみるMRI(磁気共鳴断層撮影)や超音波の検査も保険対象とする。実施施設には手術や検査に加え、遺伝カウンセリングができる体制も求める。予防切除は、乳房なら再建も含めて100万~200万円程度かかり、保険適用を求める声が患者らから上がっていた。
一方、がんを発症していないHBOCの人が受ける遺伝子検査や切除は適用外のままだ。2013年に米俳優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、がんになる前に両方の乳房を切除して話題になった。こうした手術への保険適用を求める声もあったが今回は見送られる。
抗がん剤の吐き気抑える新治療法 国立がん研などが開発(2019/12/12 朝日)
抗がん剤治療の後、半数以上の患者が吐き気や嘔吐を経験するという。数日にわたり車酔いのような状態が続く抗がん剤もある。
副作用が強いと、決められた量の抗がん剤を使えなかったり、治療が続けられなくなったりすることもある。現在の標準的な「制吐療法」では、ステロイドや脳に作用して吐き気を止める薬を使う。だが点滴後2~5日目の吐き気を抑える効果が弱く、課題になっていた。
2017年2月から静岡がんセンターなど30の病院で、吐き気が出やすい抗がん剤・シスプラチンを使い臨床試験を始めた。がん患者710人を従来の制吐療法と、抗精神病薬「オランザピン」5ミリグラムを追加したグループにわけて比べた。
その結果、治療後2~5日目の時点で、オランザピンを追加したグループでは79%の患者で嘔吐が抑えられるとともに、追加の吐き気止めも必要なかった。現在の制吐療法だけのグループと比べ、多くに効果があり、統計学的に有意差がみられた。オランザピンを追加したグループは、日中の眠気や食欲低下など他の副作用も抑えられていた。
梅宮辰夫さん死去 6度のがん克服も…慢性腎不全で(2019/12/12 日刊)
俳優梅宮辰夫さんが12日午前7時40分、慢性腎不全のため、神奈川県内の病院で死去した。81歳だった。満州(現中国東北部)ハルビン生まれ。
関係者によると、妻のクラウディアさんが梅宮さんの異変に気付き、すぐに救急車で病院に運んだという。
30代半ばだった74年に睾丸(こうがん)がんにかかり、左の肺に転移して肺がんと診断された。7~8年前には、初期の胃がんが見つかった。16年7月には十二指腸乳頭部がんで12時間におよぶ大手術を受けたが17年1月に復帰。昨年9月に前立腺がん、今年1月には尿管がんの手術を受けるなど、計6度のがんに見舞われたが、全て克服してきた。
チェリッシュ悦ちゃん 「印環細胞がん」だった 胃を全摘出も「運がいいとしか言いようがない」(2019/12/12 スポニチ)
胃がんのため8月に胃を全摘出していたことを9日に発表した夫婦デュオ「チェリッシュ」の松崎悦子(68)が11日、東京・練馬文化センターで行われたコンサートで復帰した。
開演前に夫の松崎好孝(70)と共に取材に応じ、がんの中でも悪性度が高い「印環細胞がん」だったと告白。初期だったため化学療法なしで治療できているが「最初聞いた時は半年後に亡くなってるかと思った。運がいいとしか言いようがない」と話した。
異変を感じたのは7月。左側の腸付近に違和感を覚え、主治医に相談したところ精密検査を勧められ、がんが見つかった。医師の勧めで、8月20日に名古屋市内の病院で胃の全摘出手術を受け、約3週間後に退院した。現在は食事を多く取るなど体力回復を目指す。
山中伸弥教授が強調する「米国の怖さ」 iPS細胞研究で出し抜かれ“逆輸入”の恐れも(2019/12/12 AERA)
「夢の再生医療」につながると期待されたiPS細胞が作製されてから13年。臨床研究が進む一方で、研究にかかる費用が問題視され始めた。国の予算打ち切りも報じられ、研究は曲がり角を迎えている。
この数カ月、山中さんの姿を永田町や霞が関で頻繁に見かけるようになった。自民党本部で講演し、有力議員とも次々と面会。萩生田光一文部科学相(56)、竹本直一科学技術相(79)とも会った。
米国のグラッドストーン研究所と京都大の研究所を行き来して研究を続けている山中さんが、東京に来て政治家たちに直接訴える機会を増やしたのは、iPS細胞をめぐる事業への逆風が強まっているためだ。
アステラス製薬、後発ながら「がん免疫分野」参入の賭け(2019/12/11 日経ビジネス)
免疫の仕組みの解明が進む一方、2010年代に入って免疫チェックポイント阻害剤の臨床試験の結果が報告されるようになり、がん免疫が急速に注目されるようになった。小野薬品工業と提携してオプジーボの開発を進めていた米ブリストル・マイヤーズスクイブや、キイトルーダの開発を進めていた米メルクの後を追う形で、スイスのロシュや英アストラゼネカ、米ファイザーなどのグローバル大手がチェックポイント阻害剤の開発に続々と参入した。
CAR-T療法でも、ノバルティスの後を追って、米ギリアドや米セルジーン(19年にブリストルが買収)、ファイザー、武田薬品工業、大塚製薬などが乗り出した。この結果、がん免疫分野は極めて激しい競争状態となっている。
一方、アステラスは15年に米ベンチャーのポテンザと共同研究を開始したところからがん免疫の研究に着手。18年に鳥取大学から、がん細胞内でのみ増殖する性質のウイルスを用いてがんを攻撃する腫瘍溶解性ウイルスASP9801の開発権を獲得。同年ポテンザの買収を通じて新しいタイプの免疫チェックポイント阻害剤であるASP8374をはじめ、T細胞の増強などに関わる3つの抗体医薬を手に入れた。さらに今年に入って理化学研究所から免疫増強用の細胞医薬であるASP7517の権利を導入。この5製品が既に初期臨床試験の段階にあり、続いて動物実験の段階にも幾つかの候補品を取りそろえていることを紹介した。いずれも外部との連携で確保したものだ。
日本初。がんの人しか入れない死亡保険の提供開始 ~「がんになっても入れるほけん がん治療中」~(2019/12/10 @PRESS)
富士少額短期保険株式会社(本社:山梨県甲府市丸の内、代表取締役:並木 和恵)は、がん患者に特化した死亡保険「がんになっても入れるほけん がん治療中」の保険商品を、2019年12月8日から提供を開始いたしました。
今まで、ありそうで実はなかった死亡保険が発売されました。がん治療中・がん経過観察中・過去にがんを経験した方だけがお申込できる死亡保険です。がんは、日本の国民病とも言われ、その患者数は毎年増加しています。一生のうち、2人にひとりがガンになり、3人にひとりがガンにより死亡するという現状の中にあっても、がん患者に特化した保険はありませんでした。
よく耳にするガン保険ですが、それは将来のガンに備えるためのものであり、現在、がん治療中の方が申し込める保険ではありません。がん患者に特化した保険は、そのリスクの高さから実現しませんでした。
その一方、がんと宣告された方は、これからの生活のこと、家族のこと、仕事のこと、葬儀のことなど様々な問題に直面しています。この保険を発売することにより、一人でも多くのがん患者の方々の精神的・経済的な問題解決に繋がるようお支えしたいと思います。当社は、がん患者とそのご家族が安心して生活していただけるよう願いを込めて、今までに類のない保険「がんになっても入れるほけん がん治療中」を発売いたしました。
「がんになっても入れるほけん がん治療中」
https://www.fujishotan.co.jp/gan/
障がいのある方向け「がん保険」の販売開始!(2019/12/10 PR TIMES)
ぜんち共済株式会社(代表取締役社長 榎本 重秋、以下「ぜんち共済」)と東京海上日動火災保険株式会社(取締役社長 広瀬 伸一、以下「東京海上日動」)は、障がいのある方がより安心して暮らせる社会の実現を目指し、知的障がい・発達障がい等のある方およびそのご家族向けのがん保険を開発し、販売します。
ぜんち共済と東京海上日動は、2018年1月より東京海上日動の個人賠償責任保険をセットした「ぜんちのあんしん保険」「ぜんちのこども傷害保険」を提供する等、知的障がい等のある方が安心して暮らせる社会の実現に向け、ともに取り組んでまいりました。
こうした取組みを進めるなかで、「全国手をつなぐ育成会連合会」が会員に対して実施したアンケ―トにおいて、約7割の方から「知的障がい等があってもがん保険に加入したい」とのご要望が寄せられ、知的障がい等のある方のがん保険に対する加入ニーズは高いことが分かりました。また、同アンケートにおいて、知的障がい等のある方のご家族ががんの重度状態となった場合に、成年後見制度の利用を望む声も寄せられました。
上記のニーズを踏まえ、ぜんち共済と東京海上日動は知的障がい等のある方およびそのご家族向けのがん保険として「手をつなぐがん保険」を開発し、販売いたします。
ぜんち共済株式会社 http://www.z-kyosai.com/
ブルーバードとセルジーン開発のがん治験薬、80%超の患者に効果(2019/12/09 Bloomberg)
米バイオテクノロジー会社ブルーバード・バイオと米製薬会社ブリストル・マイヤーズスクイブが開発中の治験薬が、多種類の抗がん剤前治療歴を有する再発・難治性多発性骨髄腫の患者を対象としたピボタル第2相試験で80%を超える全奏功率(ORR)を示した。米国での承認に向けたハードルの1つをクリアしたことになる。
6日の発表によると、キメラ抗原受容体T細胞(CAR―T)療法を利用したこの治験薬「bb2121」は高用量1回投与の多発性骨髄腫患者54人のうち44人に効果があり、うち19人が完全奏功した。奏功期間(DOR)の中央値は11.3カ月で、米食品医薬品局(FDA)承認の条件と見られていた期間(最低6カ月)を上回った。
アステラス、M&A巧者の「遺伝子」は本物か(2019/12 09 日経)
アステラス製薬が3日、約30億ドル(3200億円)を投じ、米創薬ベンチャーで遺伝子治療技術を持つオーデンテス・セラピューティクスを買収することを決めた。約10年ぶりとなる大型M&A(合併・買収)に対し、株価の反応は鈍い。振り返れば10年前の大型M&Aも当時、市場に受け入れられなかったが、その後製薬トップに一時上り詰める原動力となった。M&Aの成功は遺伝するだろうか。
「自分たちだけでやっていたら、いつになったら良いやり方ができるか分からなかった」。岡村直樹副社長は遺伝子治療でのM&Aの狙いを話す。オーデンテスは12年創業で、遺伝子の運び手であるアデノ随伴ウイルスの技術を持つ。アステラスも眼科領域で遺伝子治療の研究開発をしてきたが難航していた。自社のノウハウとオーデンテスの技術を連携させて、「遺伝子治療のリーディングカンパニーを目指す」(岡村副社長)方針だ。
オーデンテスが開発中の治療薬は20年に米国で承認申請する予定で、早ければ21年にも販売する計画だが、現時点で販売している薬はない。2018年12月期の売上高はゼロで、最終損益は約1億2800万ドル(約140億円)の赤字だ。
認知症新薬、異例の再挑戦~米バイオジェンとエーザイ 「投与増えると効果」(2019/12/07)
米バイオジェンとエーザイが開発するアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」の臨床試験(治験)データが5日、明らかになった。
認知機能の低下を2割ほど遅らせる効果を示し、学会や株式市場から大きな注目を集めた。一度は有効性の証明が難しいと判断されて治験の中止に追い込まれた新薬で、再び米当局の認可の取得を狙う異例の展開になる。2021年にも認知症の進行を遅らせる世界初の治療薬が誕生する可能性が出てきたが、実用化までのハードルは高い。
5日午前8時(日本時間6日午前1時)。米カリフォルニア州サンディエゴで開かれた国際学会「アルツハイマー病臨床試験会議」の会場は約1500人の定員を超え、立ち見も出るほどの盛況だった。バイオジェンの開発担当者はアデュカヌマブの投与量を増やした患者の認知機能の低下が22%抑えられたほか、日常生活への影響も40%抑えるデータを報告した。
「がんゲノム医療」効果が期待できる薬の発見 1割にとどまる(2019/12/08 NHK)
がん患者の遺伝子を調べて最適な治療薬を選ぶ「がんゲノム医療」で、ことし6月以降に遺伝子検査を受けた患者のうち、効果が期待できる薬が見つかったのは、全体の1割にとどまっていることが分かりました。
「がんゲノム医療」は患者のがん細胞の遺伝情報を解析して、最適な治療薬を選ぶ新しい医療で、標準的な治療では効果が見込めなくなった患者などを対象に、ことし6月から医療保険の適用が始まりました。
厚生労働省は、中核拠点病院などがんゲノム医療を手がける病院を対象に遺伝子検査の実績を調査し、全国134の病院から回答を得ました。
それによりますと、ことし10月までの5か月間に医療保険を使って遺伝子検査を受けた患者は805人いて、このうち効果が期待できる薬が見つかったのは88人と、全体の10.9%にとどまっていることが分かりました。
がん患者の3人に1人が就労世代。私たちは「がんとの共生社会」をどのようにデザインしていくか(2019/12/06 Huffpost)
2月4日は、ワールドキャンサーデー(世界対がんデー)。この日に合わせて、朝日新聞はがんとの共生社会を目指す「ネクストリボン2020」というイベントを開催します。
<イベント概要>
・日時:2020年2月4日(火)
・会場:ザ・グランドホール(〒108-0075 東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー 3階)
・お申し込み 下記リンクから応募フォーム記入
https://que.digital.asahi.com/epost/11000702
・参加費:無料
・締め切り:2019年1月15日(水)
定員:各480名(応募多数の場合は、抽選となります)
開催1週間前までに、当選者にのみ参加証(当選はがき)を発送します。
小児がん患者「感染症かかりやすい」切実な悩み~予防接種で得た免疫力が治療過程で低下・消失(2019/12/06 東洋経済)
宮本潤子さん(仮名)の息子である隆行さん(仮名)は急性白血病を患い、抗がん剤治療を受けた。
白血病とは血液をつくる過程の未熟な骨髄芽球に何らかの遺伝子異常が起こり、がん化した細胞(白血病細胞)が無制限に増殖することで発症する。大きく分けて急性と慢性に分かれる病気だ。
隆行さんは一連の治療を経て、幸い白血病そのものは寛解となった。寛解とは症状や検査結果でがん細胞の存在を確認できなくなった状態だ。体内にはがん細胞が残っており、治療を継続しなければ再発するため、完全に治ったワケではないが、かなり落ち着いた状態といえる。
ところが問題が生じた。昨年10月、隆行さんは水痘(水ぼうそう)にかかってしまったのだ。
「がん家系」はやっぱりがん罹患リスクが高い、喫煙以上の影響も(2019/12/1 ダイヤモンド)
この研究は、1990年と1993年に全国10地域の住民を対象に行った生活習慣などに関するアンケート調査に参加し、がん既往歴のなかった40~69歳の人10万3707人を、2012年末まで追跡したもの。アンケート調査の回答に基づき対象者全体を、がん家族歴の有無で2つのグループに分け、全部位のがん罹患リスク、および部位別のがん罹患リスクを比較検討した。
全部位のがん1.11、食道がん2.11、胃がん1.36、肝臓がん1.69、膵臓がん2.63、肺がん1.51、子宮がん1.93、膀胱がん6.06。このほか、大腸がん1.14、胆道がん2.33、乳がん1.50、前立腺がん1.47もHRの上昇は見られたが統計的には有意でなかった。
がん治療に取り組む医師、がんから社会復帰できた「がんサバイバー」の方を取材しています。自薦、他薦を問いませんので、是非、ご紹介ください。また、医療知識のある取材記者も募集しています。